不動産の相続問題でお悩みの方
不動産相続でよくあるトラブル事例
不動産相続について、実際にご自身の両親が不動産を持っている場合、心配
相続でもめる家族の特徴12選
1. 相続人と疎遠、行方不明・兄弟姉妹の仲が悪い
2. 遺産が実家にしかない(不動産も含まれる)
3. 不動産名義が前の世代まま放置されていた
4. 介護負担の割合が特定の相続人に偏っている
5. 偏った内容の不公平な遺言書が遺された
6. 財産を特定の相続人が管理している
7. 相続人に認知症・障がい者・未成年者がいる
8. 子供がいない夫婦の争族問題
9. 前夫・前妻との間に子がいる
10. 相続人の遺産が相続人以外に遺贈された
11. 被相続人に内縁の配偶者がいる
12. 親が事業をしている・会社の相続
1. 相続人と疎遠、行方不明・兄弟姉妹の仲が悪い
兄弟姉妹の仲が悪くても絶縁していても相続権には関係ありません。
親が亡くなった後、遺された子どもたちがもめるパターンです。もともと兄弟仲が悪かった場合や疎遠だった場合、特にお互いの意見が合わずにトラブルになってしまいやすい傾向があります。例え、兄弟姉妹の仲が悪く、絶縁の念書があったとしても法律上の相続は戸籍上の関係に基づいて行われるからです。
▶遺産分割協議は相続人全員で行う必要がある
相続人の中に行方不明者がいる場合、気をつけなければならないことがあります。遺産分割協議は相続人全員で行う必要があるからです。遺産分割協議は、相続人全員がに参加し、遺産分割協議書を作ります。その為、生死さえ不明といった場合には、遺産分割協議が始められません。
▶相続人に行方不明者がいる場合
・行方不明者の住所を特定する
・特定できたら、連絡を試みる
疎遠であってもお住まいや連絡先が判るのであればいいのですが、行方不明に近いほど判らない場合は、まず遺産分割の手続きが出来ません。速やかに調査しましょう。
▶失踪宣告の手続き
失踪宣告の基本的な手続きについてはすでにお伝えした通りですが、あらためて確認しておきましょう。失踪宣告は重大な判断が必要な手続きとなるので、単に申し立てが行われただけでなされるものではなく、家庭裁判所が最終判断を行います。したがって、そもそも失踪宣告の申し立てが可能な人が法律上の利害関係を有している人にだけに定められています。遺産分割協議が進められずに困っている場合にはあまり問題ないでしょうが、どの人が申し立てるのかは重要だと覚えておいてください。
失踪宣告を申し立てる際には、行方不明者の住所地・居住地を管轄している家庭裁判所に書類を提出します。家庭裁判所が申し立てを受けたら、調査官が調査を開始します。調査が完了すると、家庭裁判所は失踪宣告の申し立てがなされていることを官報などに公示して、行方不明者の生存の届出を出すように催告します。行方不明者以外にも、行方不明者の生存を知っている人にも、知っていることを届け出るように催告します。そして一定の期間が経過しても届出がないのであれば、家庭裁判所は失踪宣告の審判を行い、確定後には市区町村の役場に10日以内に失踪の届出を行います。
2. 遺産が実家にしかない(不動産も含まれる)
相続財産に不動産が含まれる場合
相続財産に不動産が含まれる場合、相続人同士のトラブルを避けるために適切な方法での分割を検討することが重要です。一般的に現物分割、換価分割、代償分割、共有分割の4種類があります。それぞれ状況に応じて適切な方法となることがあります。
以下はそれぞれの方法についての詳細です。
▶現物分割:
現物分割は、不動産そのものを複数の相続人に分割する方法です。各相続人が実際の土地や建物を所有することになります。特に家族同士での共有や感情的な結びつきが強い場合、土地や建物を維持したいという願望が強いかもしれません。しかし、現物分割は土地の形状や建物の配置によって平等な分割が難しいことがあります。また、管理や共有に関する問題も発生する可能性があります。
▶換価分割:
換価分割は、不動産を売却し、売却代金を相続人間で分割する方法です。不動産を売却することで、分割が容易になり、現金での相続分配が可能です。現金に換えられるため、相続人間での分割が公平に行われやすい場合があります。不動産市場の変動や評価額について合意が必要です。
▶代償分割:
代償分割は、一部の相続人が他の相続人に対して代償金を支払い、特定の不動産を継承する方法です。代償金の支払いは、不動産の実際の価値を基に行われます。この方法は、特定の相続人が不動産を維持し、他の相続人に対して公平に補償を行うための手段として使われます。
▶共有分割:
共有分割は、不動産を共有持分として維持する方法です。この方法は、遺産分割協議が難しい場合によく用いられます。所有者全員の同意が必要であり、共有不動産の運用や管理について合意が必要です。共有不動産は、将来的に処分が難しくなる可能性があります。
どの分割方法が最適かは、具体的な状況や相続人間の希望に依存します。不動産市場の状況、評価額、相続人の意向などを検討し、法的なアドバイスを受けながら、最適な分割方法を選ぶことが重要です。相続に関する法律や規制は地域によって異なるため、弁護士や専門家のアドバイスを受けることがおすすめです。
3. 不動産名義が前の世代まま放置されていた
不動産の名義変更は義務化されていない
不動産の名義変更が義務化されておりません。不動産の名義人が何世代か前のままである場合、それが相続に関連する問題を引き起こす可能性があります。不動産の名義変更は、相続人が発見する必要がある重要な手続きであり、それが放置されていると複雑な状況を生むことがあります。
以下は、不動産の名義変更に関連する重要なポイントです:
▶遺産分割協議書の重要性:
遺産分割協議書は、相続人が遺産を分割する際の基本的な文書です。遺産分割協議書が存在しない場合、不動産に関する新たな遺産分割協議書を作成し、登記関連の書類を整える必要があります。
▶登記関連の手続き:
不動産の名義変更には、法務局での手続きが含まれます。遺産分割協議書を作成し、相続人の署名・捺印を取得し、登記関連の書類を提出する必要があります。この手続きは時間と労力を要します。
▶事前の対策:
生前から相続に備えて、土地の登記や名義情報を確認し、遺産分割のための適切な措置を講じることが重要です。これにより、相続時の問題を軽減し、スムーズな手続きを可能にするでしょう。
不動産の名義変更については、法律や地域の規定によって異なる場合があります。そのため、弁護士や専門家の助言を受けることが賢明です。相続に関する法的手続きを適切に行い、問題を予防するために、専門家の指導を受けることをお勧めします。遺産分割協議書を作成して、実家を相続しようと不動産関係の書類を取り寄せた後に、不動産の名義人が何世代か前のままだったと発覚するケースも実際に多くあります。不動産の名義変更は、義務では無く、さらに期限も無いことからそのまま放置されているといった状況もあります。
4. 介護負担の割合が特定の相続人に偏っている
介護の負担が特定の相続人に偏った場合
寄与分(家業を無給で手伝っていたり、療養介護を献身的に続けていたなど、「特別な寄与」のこと)という概念が重要になりますが、その認識や評価に関する意見の食い違いで寄与分が認められないことがあります。その理由は、法的な要件が厳しいことです。特に、特別の寄与とは「被相続人と相続人の身分関係から通常期待される程度を超える行為」である必要があります。この要件は、親子などの家族関係において、通常期待される介護や支援行為を超えた特別な貢献を示す必要があります。例えば、同居している親子の場合、普通に親の面倒を見ることは法的に当然とされるため、普通の介護行為だけでは特別の寄与とは認められません。逆に、通常の期待を超えて親の介護を行い、経済的な犠牲を払った場合、特別の寄与として認識される可能性が高まります。要するに、寄与分を主張するためには、普通の期待を超えた貢献や犠牲を示すことが必要です。親子や家族関係であっても、特別な寄与を証明するためには高いハードルがあることを覚えておくべきです。
■ 特別の寄与を受けられる可能性の例
※仕事を辞めて親の介護をしている。
※ヘルパー(介護)を依頼せず、すべて自分がやった。
※親の事業をすべて無償で手伝っていた。
以下は、この問題に対処するためのアドバイスです
▶遺言書の作成:
被相続人が生前に遺言書を作成することが、特に介護に対する感謝や寄与分に関する意向を明確にすることが重要です。遺言書で寄与分を具体的に定めることができます。
▶寄与分の評価方法:
寄与分の評価についての明確な方法を設定しましょう。介護に貢献した相続人の寄与を評価し、遺産分割に適切に反映させるようにしておきましょう。
▶協議と専門家のアドバイス:
相続人間での協議を行う際には、法的なアドバイスを受けることが重要です。法律家や遺産分割の専門家が介護の寄与分の評価や遺産分配に関するガイダンスを提供してくれます。
▶公正証書作成:
公正証書は法的に拘束力があり、協議内容が明確に文書化されます。遺産分割協議を公正証書にすることを検討しましょう。
▶対話と妥協:
相続人間のコミュニケーションが重要です。感情的な対立を避け、妥協の余地を探りましょう。相続において家族の一体感を維持することが大切です。
▶裁判所の調停:
トラブルが解決しない場合、家庭裁判所での調停を検討することができます。裁判所の介入が必要な場合、適切な手続きを進めましょう。
介護による寄与分の評価や遺産分配は感情的になりやすく、意見の食い違いが生じることがあります。したがって、専門家のアドバイスを受けながら、公平かつ円満な解決を目指すことが大切です。
5. 偏った内容の不公平な遺言書が遺された
遺言書の内容が不公平でも原則として認められてしまう
▶公平・不公平でも遺言書は有効
一昨年、父が病気の為長期入院の際、金庫から遺言書が出てきました。便箋に日付、署名、押印があり、内容は「私の財産は妻に8分の4、長男に8分の2、次男に8分の1、三男に8分の1を相続させる」とありました。父の財産としては、自宅、別荘、賃貸アパート、金融資産などがあります。我が家では家長を重んじる傾向が強く、相続においては兄が主導権を握る可能性があります。兄に対してどのように対処して遺産を分割するのが良いでしょうか?
相談内容から察するに法律が要求する遺言の形式的な有効要件は備えていそうです。つまり、発見された遺言書は法律的には有効という事です。法律的に有効な遺言書であれば、どれだけ内容が不公平・不平等なものであっても、基本的には遺言書通りに遺産を相続することになります。ただし、生前にそのような遺言書が発見されたのであれば、感情の行き違いが生じる前に、ある程度財産の内容をオープンにして、家族会議などで相続についての話し合いを前もってしておくことをお勧めします。
一部の相続人に多くの遺産を残し、他の相続人にはほとんど遺産を残さない、このような明らに不公平な遺言書は有効なのでしょうか? 結論として、こういった遺言書も有効です。遺産は被相続人の財産ですから、自分の財産をどのように処分するかは、その人の自由だからです。誰にどれだけの遺産を残すのかということも、自由に定めることが可能です。 相続人が複数いるときには、一部の相続人にすべての遺産やほとんどの遺産を残すこともできますし、相続人以外の第三者に遺産を分与することなども可能です。 たとえば父親が死亡して子ども達3人が相続人となっているケースにおいて、「長男にすべての遺産を相続させる」という遺言も有効ですし、「孫や愛人にすべての遺産を分与する」という遺言書も有効です。
6. 財産を特定の相続人が管理している
7. 相続人に認知症・障がい者・未成年者がいる
8. 子供がいない夫婦の争族問題
9. 前夫・前妻との間に子がいる
10. 相続人の遺産が相続人以外に遺贈された
11. 被相続人に内縁の配偶者がいる
12. 親が事業をしている・会社の相続